(東北の心血管死亡率改善のために)

禁煙推進

喫煙がどうして身体に悪いのか?

 喫煙による健康被害は周知の事実です。喫煙者は非喫煙者と比べ、男性は約5年、女性は約4年寿命が短いと言われています。タバコの葉を燃焼させて生じる煙の中には、ニコチンに加え、一酸化炭素や、有害物質として認定されているものが数百種類以上含まれています。そのうち約70種類が発癌性物質です。その中には猛毒のシアン化水素、ダイオキシン等も含まれ待ています。ニコチンは血管を収縮させ、血圧上昇、心拍数の増加を引き起こします。タバコの煙は、血管内皮細胞を傷害し、動脈硬化を促進させます。一酸化炭素により慢性的な酸欠状態となります。これかが様々な疾患の原因となると考えられています。

 

喫煙と疾患

1日20本喫煙による虚血性心疾患の死亡率の早退危険度は1.7~2.4倍であり、心臓病全体の死亡率は20本以内では、4.2倍、それ以上では7.4倍と言われています。そして、総脳卒中発症(男性1.27倍、女性1.98倍)、くも膜下出血発症(男性3.6倍、女性2.7倍)の有意なリスクを有しています。腹部大動脈瘤の発症は本数が増加することにより、約3倍から約10倍との報告もあり、閉塞性動脈硬化症の発症も4倍のリスクがあります。その他、癌の発症にも強く関与しており、癌の死亡のうち、男性で40%、女性では5%が喫煙が原因だと考えられています。口腔内癌、咽頭癌、食道癌、胃癌、子宮頸癌、膀胱癌等も喫煙との関与が明らかとなっており、これらの癌による死亡に関して、2~5倍のリスクがあります。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、歯周病の原因ともなっており、これらが関与している、細菌性肺炎や、虚血性心疾患、糖尿病等の全身性疾患の引き金にもなっています。

 

喫煙による健康被害が医療費に及ぼす影響

これらの喫煙による健康被害により、年間1兆3000億円もの医療費が余分に必要との報告があります。その他、喫煙が引き起こす火災、清掃費用、喫煙による労働力損失を含めると、年間4兆円以上にもなると言われています。

 

禁煙の効果

 

禁煙による虚血性心疾患罹患率の低下は比較的早期にあらわれ、禁煙後1年で冠動脈疾患の罹患率は大幅に低下します。心筋梗塞後の再発に関しても、喫煙を続けていたものと比べ、再発率は30~50%程度に抑制されます。禁煙は、癌の罹患率、死亡率低下にも関連があります。発症前に禁煙をすることが重要です。

 

 

岩手県・東北地域の喫煙の実態

我が国の喫煙率は年々低下しています。しかし、東北は全国平均と比較すると高率です。当院は、入院中の禁煙指導はもちろんのこと、外来でも更に禁煙指導に力をいれていく方針です。

 

循環器内科 助教 中島悟史

岩手県における禁煙推進活動: 岩手禁煙推進ネットワーク へのリンク