最新医療

カテーテルによる先天性心疾患治療

心房中隔欠損症(ASD) と 動脈管開存(PFO) に対するカテーテル治療を行っています。

心房中隔欠損症(ASD)

大人になるまで気が付かれない先天性心疾患の1つです!!

心房中隔欠損症とは、左心房と右心房を隔てている心房中隔に穴が開いている生まれながらに持っている心臓の病気です。開いている穴(欠損孔)を通じて左心房から右心房に血液が流れ、右心房、右心室、肺動脈に大きな負担がかかります。無症状のため大人になるまで気が付かず、健診などで初めて発見されることが多い病気です。

心房中隔欠損症と診断されても、症状がないために積極的な治療に抵抗がある方もいます。しかしそのまま放置していると、心臓への負担が大きくなり、不整脈や心不全、肺高血圧を発症し、手遅れになる場合もあります。ASDに伴う死亡率は、25歳頃を境にして上昇してくることが知られており、無症状だからと言って放置してよい病気ではないのです。

より低侵襲な治療を・・・アンプラッツァー閉鎖栓によるカテーテル治療(ASO)

心房中隔欠損症の治療は、開胸による外科手術が唯一の治療法でした。外科手術は、胸に傷がつくことや体への負担が大きく、無症状である患者さんによっては治療に抵抗がある方もいました。

より低侵襲に欠損孔を閉鎖できないか・・・と考案されたのがアンプラッツァー閉鎖栓によるカテーテル治療です。足の付け根からカテーテルを入れて欠損孔を閉鎖する画期的な治療法で、外科手術に比べると体への負担は格段に少なく治療法です。

2005年より日本でも治療が可能となり、現在まで日本では約4000例を超える治療が行われております。より低侵襲な治療をめざし、当センターも循環器内科および小児循環器科がともに2013年より施設認定を受け、カテーテル治療が可能となりました。当センターとして既に合計50症例以上の治療を施行致しました。

心房中隔欠損症の全例が治療の適応ではありません。

残念ながら心房中隔欠損症を有するすべての患者さんが治療の対象ではありません。

  • 2次孔欠損の症例
  • 呼吸困難・動機等の症状を有する患者さん
  • 肺・体血流比(Qp/Qs)1.5以上
  • 欠損孔の周囲に5㎜以上ののり代がある
  • 右心系に過度の負担がかかっている
  • 心房性不整脈や奇異性塞栓症の既往がある患者さん

上記の患者さんに対してアンプラッツァー閉鎖栓の治療の適応があります。

低侵襲で外科的手術と同等の効果を得ることができる治療法ですが、カテーテル治療の欠点としては、治療可能な症例に制限があり、外科的治療法と比較すると歴史が浅く、長期予後が明らかにされていない点があります。

当センターは、循環器内科・小児科ともアンプラッツァー閉鎖栓の治療資格を有する、国内でも非常に稀な施設です。両科で治療適応を慎重に吟味し、最適な治療法を選択しています。

治療方法

全身麻酔で挿管下に治療をおこないます。

大腿静脈(足の付け根にある静脈)よりカテーテルを挿入します。経食道心エコーでアンプラッツァー閉鎖栓が心房中隔を挟み込んでいること、閉鎖栓が周囲の弁や大動脈に影響を与えていないことを確認し留置します。通常の場合は、治療時間は1時間程度です。治療後は、数日経過を観察し、退院となります。入院期間は通常1週間程度です。

合併症
カテーテル治療の合併症としては、通常のカテーテル治療の合併症と閉鎖栓治療に伴う特融な合併症があります。

出血、感染症に加えて、閉鎖栓の脱落、閉鎖栓による周囲との摩擦で生じる心タンポナーデ、頭痛などがあります。

心房中隔欠損症と診断されたら・・・まずはご相談ください!!

  • 子供の頃に心雑音があると言われ、そのままにしている方
  • 健康診断で心雑音や心電図異常を指摘された方
  • 近くの病院で心房中隔欠損症と診断された方
  • 心房中隔欠損症を疑った先生方

まずは当科外来を受診ならびにご紹介をお願いいたします!!
当科外来で精査をおこない、治療適応の有無を検査します。

遠方の病院よりご紹介いただいた場合、カテーテル治療の適応判断のため、1日だけ当施設に来院してもらい経胸壁・経食道心エコー検査をおこない、適応を検討いたします。

ご不明な点がありましたらご連絡ください。

ASO治療担当チーム

器具留置(内科) : 森野・石田・上田
術前・術中心エコー: 田代・熊谷
麻酔       : 小林
小児循環器    : 小山・高橋・早田
心臓血管外科   : 猪飼

カンファランスで適応を決定し、循環器医療センターの総力で治療に当たります。

ご連絡先

医療関係者
お急ぎの場合は循環器内科ホットラインまでお電話・ご相談ください。
(医療関係者専用ダイヤル 019-653-2431 )

待期的なご紹介
TEL: 019-651-5111 交換手が出ましたら、担当医(循環器内科 上田、石田、森野のいずれか)を呼び出してください

 

患者様
岩手医科大学循環器医療センター 循環器内科 森野教授室 秘書 大宮までお問い合わせください。
TEL: 019-651-5111 (内線 7315

動脈管開存症

 動脈管は、出生後10-15時間で自然に閉鎖します。しかし何らかの理由で動脈管が閉鎖しなかった病気が動脈管開存症です。動脈管開存症の多くは、小児期までに異常を指摘され、診断・治療に至ります。
 しかし見逃されている例や異常を指摘されても検査しなかった例では、成人期になって動悸・息切れ等の症状で初めて動脈管開存症と診断される例もあります。
 動脈管開存をそのまま放置した場合、心臓や肺に過度な負担がかかり、不整脈や心不全、肺高血圧症が出現するため、早めの治療を必要とします。
 動脈管開存症の治療は、今までは外科手術が一般的でした。しかし、成人例では小児例と比べて、手術が難しく、人工心肺が必要なため体に大きな負担がかかります。
 2009年より本邦では、動脈管開存症に対しAmplazer Duct Occluderによりカテーテル治療が認可され、より安全に、より低侵襲に治療することが可能になりました。2013年より当院でも動脈管開存症のカテーテル治療が可能となり、循環器内科・小児科と協力して治療を行っております。
動脈管開存症の全例が、カテーテル治療の適応となりません。
カテーテル治療の適応を判断するため検査を行ってから、小児科・心臓血管外科・麻酔科、放射線科、循環器内科の合同カンファランスで治療の決定をしております。

詳しくは、担当:上田までご連絡ください。  

当院小児科のホームページもご参照ください。
→http://www.iwate-idai.net/index.html